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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第23章 私を認めて



「待って!征十郎!」


私は征十郎を追いかけ、グランドへ続く屋外階段を下りていた。

学食から校舎へ戻るには、外の階段を使う方が早く戻ることができるのだ。


「待ってって言ってるでしょ!」

「……」


いくら呼び止めても一向に止まってくれない征十郎を、なんとか追い越し、私は彼の前に立つ。


「最近変よ?何かあったの?」

「何もないさ」

「そんなこと…」


征十郎はいつもように微笑みながら言うが、やはり変だ。

いつもと少し様子がおかしい。


「何か悩みがあるのなら聞くわ」

「だから言っているだろう、何もないと。大体…」


しつこく聞く私に、張り付けていた笑みをはがし征十郎は冷たい表情で私を見下ろした。


「例え俺が何か悩んでいたとしても、それを言うわけがないだろう。そんな弱音を吐くようなことなどできるわけがない」


そう言った征十郎は、少し寂しげで、今にも消えてしまいそうだった。

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