第23章 私を認めて
あっくんは私が学食で食べる際に残飯処理班のような役を引き受けてくれるのだが、正直、食べきれる量の自前のお弁当の時でも彼はいつも私の食料を欲しがる。
別に無理して食べたいわけでもない私は、仕方がないので自分の食料を彼に分け与える。
そう、なんてことない、いつもの光景だ。
「…最近、紫原に甘すぎないか?」
隣に座る征十郎が言い出す。
「そうかしら?だけどあっくんに私のご飯をあげてるのは今に始まったことではないし…」
「そのことを言っているんだ」
えぇ?そんな急に言われても…。
征十郎は少し不機嫌な顔をして、自分の昼食を口へ運ぶ。
その不穏な空気に周りも気づき始めて、征十郎の様子を窺う。
テツ君とさっちゃんなんかは食べる手を止めて、こちらを心配そうに見ていた。
「何カリカリしてんだよ。いーじゃねーか、華澄も食べきれねーっつってんだしよ」
こんな中で、大ちゃんは空気も読まずに征十郎に言う。
本当に馬鹿だ。
「カリカリなんてしていないさ。ただ、華澄は紫原を甘やかし過ぎだと思っただけだよ」
「んなモン、お前のただの嫉妬じゃねーか」
「あ、青峰っち!」
大ちゃんの言葉に征十郎は、何を言っているんだと言いたげに手を止めて眉間に皺を寄せ、大ちゃんを見た。