第23章 私を認めて
何事も起きないように、穏便に、そしてこの先もこれ以上何も変わらないように…そう思いながら毎日を過ごしていた。
新チームになって、少しずつ変化は訪れてはいるが、それでもいまだ何事にも至っておらず、普段通りの生活を私たちは送っていた。
しかし、きっかけというのは案外あっさり訪れてしまう。
「カスミンがお弁当を忘れるなんて珍しいね」
「少し寝坊してしまったの」
今日は週一のスタメンの皆とお昼をとる日。
さっちゃんの言うように珍しくお弁当を忘れた私は、学食でAランチを購入し、皆の集まるテーブルに付いた。
ポツポツとメンバーが集まり、最後に大ちゃんが揃ったところで皆食事をとり始めた。
「藍ちんの美味しそー」
私の目の前に座るあっくんは、私のお昼ご飯を見てはそんなことを言う。
「はいはい。どうぞ」
学食の中でもAランチはそこまで量はないのだが、私は食べきれない。
ということもあって、いつもはお弁当を自分で作っている。