第23章 私を認めて
「ヒッ」
「うわぁあ」
今日は新チーム初の試合。
勿論、彼らがいる限り負けることなどはあり得るはずもなく、順調に得点を重ねていく。
「うわぁあ、すっげぇダンク。シャックかよ!?」
「あんなん止められるわけねぇー」
「よおし、ナイシュー」
あっくんが二人のDFを弾き飛ばして、ダンクを決めたことでギャラリーも帝光のベンチも盛り上がっていた。
…ナイシューなわけない。
二人もDFが付いていたのだ、征十郎にボールを戻すべきだった。
それに、私は全力を出すな、と言っているはずなのに。
私は、ただ…。
ただただ、あっくんのこの成長が怖かった。
「あっくん、私ダメだって言ったわよね?」
「えー、そーだっけ?いーじゃん、決めたんだし勝ったんだから」
「だけど…」
試合終了後、ミーティングで私は勿論、あっくんを注意する。
しかし、あっくんからは反省の色など毛ほども見えない。
それどころか、またいつものように抱き付いてくる始末。