第23章 私を認めて
私だって、皆を守りたいんだ。
いくら自分が嫌われようとも、それでもこの先もずっと皆が笑ってバスケを続けられるのなら、私なんてどうなろうとも構わない。
「ごめんなさっ…せいじゅ、ろ…、私…ごめん、なさ…い」
「…大丈夫だ。泣かなくていい。お前ひとりで背負うことはないんだ」
征十郎は私の涙を拭ってくれる。
彼の優しさに私の目から更に涙が溢れてしまった。
その後、征十郎は皆に事の次第を説明してくれ、皆は納得してくれた。
黄瀬なんかは「藍川っちのこと嫌いになりかけたッスよー」なんて言っていたが、別にお前からは嫌われようがどうってことはない、と呟いたのは、きっと聞こえていないはず。
そうして事態は、丸く収まった…。そのはずだった。
*
それから少し経ってからのこと。
大ちゃんは部活をサボることなく顔を出して、真面目に練習に参加しているが、毎日のように周りの部員にキレる。
そんな大ちゃんに声を掛けようとして、テツ君はいまだできずに、二人の仲もそのまま。
さらにはあっくんと真ちゃんも急成長し始め、私の不安は深まる一方だった。