第23章 私を認めて
私は意を決して、いつもの飄飄とした顔を作りって皆を見上げた。
「あなたたちに全力を出すことを禁じるわ」
「なっ」
「どーゆーことー?」
勿論、皆は困惑というよりも反対の意を示すかのような顔つきに変わる。
「どういうことか説明しろ」
征十郎に関しては、少し怒ったようにして私に言う。
「考えればわかるじゃない。あなたたちの力はあまりにも大きすぎるわ…それはこれからも成長し続ける。だけど、まだ体がそれに追いついていないのよ。このままいけば確実に体を壊しかねないわ。私の方で体作りのメニューを作るつもりではいるけど、暫くは禁止ね」
「……」
皆は納得するように下を俯いた。
違う…。
こんな顔をしてほしんじゃないの。
でも、だけど…。
「別にいーじゃねーか、華澄が言ってんだし。考えて出した結果ならそれが一番ってこったろ」
大ちゃんは面倒くさそうに私を見て言った。
「物分かりが良くて、安心…したわ」
これ以上、皆の顔を見ていられなくて。
私は逃げるようにしてその場を去った。
「華澄、待て」
体育館をひとり出て行こうとする征十郎に腕をつかまれ、私は立ち止まる。
「何があった。あんなことを言いだすなんて華澄らしくないぞ」
「……」