第23章 私を認めて
「藍ちんはさー、赤ちんのどんなとこが好きなわけー?」
「…最近、あっくんはそればかり聞いてくるわね」
「だって気になるしー」
…どこが好き、か。
そんなこと考えたこともなかったわね。
強いて言えば…。
優しくて、側にいると安心できる…とこかしら…。
「…そんな風に聞かれても、どう答えたらいいのかわからないわ」
私が少し恥ずかしがりながらそう答えると、あっくんは私の腕をつかみ、その歩みをとめさせた。
「…じゃーさー。もし俺が赤ちんに勝てたら…藍ちんは俺のこと見てくれる?」
「あっくん…?」
いつにない真剣な表情で私にそんなことを言うあっくんに首を傾げた。
「(俺のこと見てくれるって…、まさかあっくんは私のこと…?いや、まさかそんなわけ…)」
何と返したら良いかわからずに困惑する私を見て、あっくんは少し困ったように笑い、また一瞬でいつもの緩い顔つきに戻る。
「…やっぱいーやー」
そう言ってあっくんはまた歩き出した。