第23章 私を認めて
真田コーチが監督を引き継ぐことになったこと。
バスケの指導に関しては文句なしだが、でも…この彼らをはたしてまとめることができるのか?
「なんか紫原っち、前より一段と食うようになってないッスか!?」
私の様子を窺いながら、あっくんはドーナッツを口に運んだ。
「別に心配してないわけじゃないよー。ただ、最近やたらお腹減るんだよねー」
これから訪れるであろう変化に、私はどうしたらいいのだろうか…。
「…私、ここで別れるから…。また明日…」
「そうだったッスね、じゃー、また明日ー」
「さようなら」
「じゃーねー、カスミン!」
皆と別れて、私はひとり自宅へトボトボと向かった。
「藍ちーん、待ってー。送るよー?」
間の伸びた声がし、進めていた足を止めて振り向くと、あっくんが走りもせずにこちらへ向かってきていた。
「いいわよ。ひとりでも帰れるわ」
「俺が一緒に帰りたいのー」
そう言いながらあっくんは私の隣に並んで歩き出す。