第23章 私を認めて
「これで練習も再開したらまじで一瞬顔見るぐらいしかできなそーッスわ…」
「それでも行った方がいいと思います。それに…、…青峰君?」
話を続けようとするテツ君は、ずっと浮かない顔をする大ちゃんに意識を向けた。
「…ああ、聞いてるよ。…いんじゃね?」
「…そうですか」
私の予想が正しければ、全中が終わると同時に監督は倒れようが倒れまいが、いなくなるつもりだったんじゃないか、と思う。
だから、どんどん才能を開花させる大ちゃんの成長を見たい、という好奇心が掻き立てられて、彼の様子を黙認してたのではないか、と。
…そんなの許せないよ。
大ちゃんは、皆は、大人たちの道具じゃない。
「どーしたのー?藍ちん浮かない顔だねー?」
「…ううん。何でもないわ」
それともう一つ、私の懸念材料はある。