第22章 絶対間違ってない
「なんだぁ、あいつ…?」
「青峰出すのかよ?4つなのに…」
「違ぇよもう一人!」
「え?どこ…?」
決勝、後半。
5点ビハインド、という状況の中帝光側から出てきた影の薄い彼に、いつものような反応がギャラリーから次々を聞こえてくる。
それは相手側も同じようで、馬鹿にしたような顔でテツ君を見る。
「ふふっ、馬鹿ねぇ…」
私が呟いた時、早速テツ君のパスが通り、ボールはあっという間にあっくんの手の中へ。
そしてそのまま、あっくんはゴールへとダンクを決め込む。
「なんだ今のはっ…!?」
「何が起きた!?」
ギャラリーから聞こえてくる驚嘆の声に、帝光のベンチも満足げな表情を浮かべる。
テツ君のパスで、ボールはまたもやとゴールをくぐり得点を重ね、後半開始一分ほどであっさり逆転。
流石に焦った、双子の片割れは大ちゃんを退場させようと、一対一へ持ち込む。
「…来たぞ」
修ちゃんが呟き、こちら側にも緊張が走る。
大丈夫、大ちゃんなら絶対にできるはず。