第22章 絶対間違ってない
そして監督はニッと笑い、続けた。
「入念にすり潰せ。何より、やられっぱなしは癪だろう?」
すると、ベンチに座って聞いていたテツ君が立ち上がる。
「後半…僕にいかせてもらえませんか?」
「うっわ、珍しー。黒子っちからあんなこと言うなんて」
「というか初めてなのだよ」
真ちゃんの言う通り、テツ君が自分から出してくれ、なんていうことは今まではなかった。
それに、昨日からの様子を考えて、ここでいきたい、なんていうこと自体、ある意味驚きだ。
「…ふむ。わかった、行って来い」
だが、テツ君の顔には先程までの迷いはなく、いつもの真剣な表情だった。
それに気づいた監督もテツ君にGOサインを出す。
「それと青峰。4ファウルだが、あえて出てもらうぞ。後半開始から攻める」
「準備はいいね?行こうか」
「はい」
「おう」
征十郎の声で、大ちゃんたちは立ち上がり、コートへ向かう。
後半戦、反撃開始だ。