第22章 絶対間違ってない
「え、何。藍川は気づいてたわけ?」
「桃井も前半と休憩の間に調べたのか?どんな情報収集力だよ…」
先輩方は失礼にも、まるで化け物でも見るかのように私とさっちゃんを見る。
化け物なら、そこにとんでも主将がいるじゃない。
「ふむ…。中学生にしては妙に当たるのが上手いと思ったが、そうか…合気道か…」
さっちゃんのデータを聞いた監督は少し考え込むように言う。
「どうします?前半同様パスやピック&ロールで一対一を避けて…」
「いや」
コーチはそんな生ぬるいことを言う。
ダメでしょ、そんなんじゃ。ここは…。
「おかげで確信が持てた。逆だ。一対一で行け」
そうそう。そう言うことよ。
流石は監督、バスケに関してだけは共感できるわ。
「ただし、フェイクを最低三回以上入れること。小学六年までならバスケを始めたのは中学からの中級者だ。合気道が呼吸を合わせることに長けているなら、バスケットはそれを外してナンボの競技だ」
フェイクを三回以上か…。
そこまでは思いつかなかったわね。