第22章 絶対間違ってない
でも、今のは…本当に当たった?
それより、何なのあの双子。
間合いの取り方が妙に上手すぎる。
「ちょっ…今の俺のファウルッスか!?」
「早く手を挙げて!」
「はっあぁ!?どこに目ェつけてんスか!?相手が勝手に転んだだけじゃん!んなジャッジ納得いくわけ…」
馬鹿!このままじゃ…。
「やべっ」
「馬鹿!」
「黄瀬やめろ!」
ベンチから修ちゃんと私が叫び、征十郎も止めたが間に合わなかった。
「テクニカルファウル、白8番!」
「ちょっと黄瀬ちーん。勘弁してよー」
ああ、もう、本当に馬鹿!
馬鹿!馬鹿!まだ一ピリの途中だっていうのに、もう3ファウル!?
「ファウルを貰うのも技術の一つだ。とは言え…それにここまで特化した選手は初めて見たぜ。あの双子…下手な一流より厄介だぜ」
修ちゃんの話に耳を傾けながら、私はあの双子を見て少し考える。
ふーん。ファウルに特化、ね…。
「…ねぇ、さっちゃん。調べてほしいことがあるんだけど」
「?いいよ。何?」
私が調べごとの内容を伝えると、さっちゃんはベンチから離れて行った。