第22章 絶対間違ってない
珍しいわね…。
決勝まで来る、となると大概有名選手がひとりでもいるチームがほとんどなのに…。
「横っ飛びでぶん投げて何故入る!?」
「めちゃくちゃなのに…誰にも止めらない!」
そして大ちゃんは相変わらず、とんでもプレイだろうが何だろうがシュートは決まるし、キレも増す一方だ。
監督は今朝、私たちに大ちゃんにもテツ君にも何もしなくていい、と言った。
だけど…、こんなんじゃ…。
監督は一体何を考えているの…?
「双子かよ…珍しいな。どんな奴らだ?」
修ちゃんも例の双子が気になったらしく、さっちゃんに問いかける。
「それが…ほとんどデータがないんです…。記録にも目立った点はないんですが…」
「まじか?」
さっちゃんの答えを聞いた私も、少し訝しげに双子を見る。
あのさっちゃんがデータを集められないなんて、大したことはない選手だってこと?
…でも、何かしら。
この違和感は…。
「チャージング!白8番!」
早速ファウル?…もう、あの馬鹿。
「…チェッ。そんな強く当たったッスかね?」
…ん?強く?
確かに今のはそこまで当たっていなかった気もするけど…。
「プッシング!白6番!」
今度は大ちゃんか。何なの…。
急にファウルが…。
「チャージング!白8番!」
そしてまた、双子の片割れを抜こうとした黄瀬がファウルをとられてしまった。