第22章 絶対間違ってない
全中最終日。
第一試合目は準決勝。勿論勝った。
この試合で大ちゃんは、昨日に引き続き投げやりなプレイを続けた。
それでも、一試合で51得点をマーク。
気持ちとはちぐはぐな大ちゃんの絶好調に私は、不安というよりも恐怖を感じた。
「これで最後だ。行くぞ!」
そして、全中決勝。
泣いても笑ってもこれが最後。
「これが最後だ。勝てば優勝…そして二連覇となる。何か言うことはあるか?」
皆は円陣を組み、征十郎は言う。
「一本でも多く3Pを決める。それだけなのだよ」
「別に。なんもねーよ」
「んー…早く終わらせてお菓子食べたい」
「なんか皆バラバラじゃないッスか!?」
全くだ。
私とさっちゃんはその様子をベンチから見ていた。
「かまわないさ。バラバラに個性が噛みあってこそのチームだ。共有すべきなのはただ一つ。そしてそれは全員できているはずだ。勝つぞ!」
「おお!」
『これより、決勝トーナメント決勝戦。帝光中学校対鎌田西中学校の試合を開始します』
征十郎、真ちゃん、あっくん、黄瀬、…そして大ちゃんもコートに立つ。
「…あら?」
あまり、見ない顔ね。
「そっくりだな、双子か?」
関口先輩も同じことを考えていたようで、彼らを見て言う。