第22章 絶対間違ってない
…違う、違う、違う!
私は、絶対に間違ってない。
――― 『…本当にそう?どうせ手遅れだったじゃない』
もう一人の私が問いかける。
…そうよ。
どうせ私は無力なんだ。
わかってたくせに止めることができなかった。
「違う。私は、私はただ…、昔のように…」
皆で笑ってバスケをしてたいだけなのに。
*
すぐに決勝トーナメント二回戦が始まった。
大ちゃんは、私が控室へ行ったときには既にどこかへ行ってしまっていて、いまだ戻ってこない。
征十郎は、最悪大ちゃん無しでもいいと言っていた。
私はそれでも、いや、その方がいいのではないか、と思っていた。
「遅いッスよ、青峰っち!ギリギリじゃないッスか!」
黄瀬の声で顔をあげると、準備を終えた大ちゃんがベンチに向かってきていた。
「いけるか?」
征十郎が尋ねると、大ちゃんの顔つきが変わった。
「…ああ」
…違う。
こんな顔する人、知らない。
こんなの大ちゃんじゃない…。