第22章 絶対間違ってない
第一試合。
「…な、なんスか、これ…。初日から満員…!?」
「初日からは流石に初めてじゃないー?」
「ああ」
ベンチで準備をしているスタメンたちが口々に言う。
確かにいくら注目されていても、初日でこんなにギャラリーが多いのは初めてだ。
『始めます。整列してください』
アナウンスで、今日のスタメンの征十郎、真ちゃん、あっくん、大ちゃん、黄瀬は立ち上がる。
「ありゃ?うわ俺、もしかしてキンチョーしてる?」
「あー、こればっかはしょーがねーな」
黄瀬は手の震えを抑えきれないようにして、コートへ出て行った。
黄瀬だけではない。
試合慣れしているはずの皆も、なんだか体が重そうだ。
「…大丈夫かしら」
そういう私も、緊張からか、スコアを持つ手が少し震える。
ううん。大丈夫よ。
昨日の身体チェックも問題なかったし、万全のコンディションのはず。
「クソ重いギブスを着せられてるようなもんだ。こればっかりは天才も凡人も大差ねーぜ」
修ちゃんは言う。