第22章 絶対間違ってない
そんな帝光中の団体が進む中、ドドド…と地響きが押し寄せてくる。
「え?」
黄瀬がその音に気づいて、音の根源を確認したが、遅かった。
「インタビューよろしいですか?今年のチームの仕上がりは…」
「連覇に向けて一言お願いします」
あー、この光景去年も見たわね。
「わわっ俺らもッスか?」
「参ったな…動けねー。…つか赤司スゲーな。動じないどころか、全て模範解答でなれたもんだ」
大ちゃんの言う通り、征十郎は落ち着いた様子で、丁寧にインタビューに応じる。
「去年の誰かさんとは大違いね」
私は嫌味を込めて、隣の先代主将を見上げる。
「うっせ」
「すみませーん!噂の美人名マネージャーの藍川華澄さんですよね!?お話を…」
「げっ」
名指しで捕まってしまった私は、修ちゃんに助けを請うように見るが、あっさり見捨てられた。
さっちゃんの方も捕まってしまったようで、幻の六人目であるはずのテツ君は、存在すら確認されていなかった。
…というより、どうして選手でもない私の名前まで知れ渡ってるのよ!