第21章 もう知らない
「あーあー、赤司はいいよな。華澄の胸が背中に当たってんだろ?羨ましいぜ」
「だ、大ちゃん!?」
「青峰君!何でそんなこと言っちゃうの!?」
「青峰君、僕は悲しいです。もう影辞めます」
「テツ?!何言ってんだ?!」
そんなやり取りを見ながら私たちは笑って、海を後にした。
「カスミン、仲直りできて良かったね」
着替えている最中にさっちゃんがウインクしながら言う。
私は顔を赤くしながら、下を俯いた。
…本当、仲直りできて良かったわ。
あんなモヤモヤした思いをするくらいなら、もう二度と征十郎とは喧嘩はしたくないものね。
なんて思った、長い夏合宿は無事幕を下ろした。
最後の、笑って過ごせた日常が…終わった…。