第21章 もう知らない
それから、皆で(ちなみに気まずいながらも征十郎もいる)わいわいひと時の夏休みを満喫しながら遊んでいた。
「ねーお腹すいちゃったー。なんか買ってきていー?」
「もう昼飯の時間か、はえーな」
「あ、俺買ってくるッスよ!何がいっスか?」
あっくんが言うと、確かに正午になる少し前。
折角黄瀬が何か買ってくると申し出るので私たちは容赦なく次々を注文する。
「焼きそば六つに焼き鳥十本、ラムネが六本とお茶が二本、かき氷十個…って無理っスよ!」
「かき氷の味はきちんと覚えているのだろうな」
「え、えーっと…いちごが三つとメロンとブルーハワイが二つずつ…オレンジが…って注文多過ぎっス!」
真ちゃんに抜かりなく聞かれるも、流石にこれだけの注文を覚えるのは難しいようで、黄瀬は無理だと訴えかける。
そもそも、こいつは勉強がダメなのだ。
覚えられるわけがない。
「仕方ない。俺も一緒に行こう」
「赤司っち…!」
「紫原も行くだろう」
「うんー。その場で食べたくなるのもあるかもしんねーしー」
救世主征十郎の登場で、顔をパアッと輝かせた黄瀬は、征十郎とあっくんと一緒に沢山の注文を買いに行った。