第21章 もう知らない
私は修ちゃんの頬に真っ赤なもみじをお見舞いして、さっちゃんの手を引っ張って皆のところへ向かった。
「おせーぞ、さつき」
「ごめんごめん」
大ちゃんに呼ばれ、さっちゃんは駆けだす。
目的は勿論、テツ君。
「テツくーん!どうかな、似合ってる?」
「はい、凄くお似合いです」
「ありがとーうっ」
さっちゃんは嬉しそうに顔を赤くしながら、テツ君に抱き付いた。
「藍ちん、ちょーかわいーよー。似合ってるー」
「華澄…お前も意外とあったんだな…」
「それ以上言ったら、怒るわよ」
正真正銘ど変態の大ちゃんはさっちゃんと私を見比べながら言う。
視線は言うまでもなく、胸。
「ほら、早く行くッスよ!緑間っちがさっきからそわそわしてるッス!」
「誰もそわそわなどしてないのだよ!」
「いいから、いいから」
黄瀬に言われて、私たちは海の中に走り出していった。
じりじりと日差しが強く暑い分、冷たい海水が気持ちいい。