第21章 もう知らない
食事を終えた私たちは、体育館へと向かう。
今回の相手は、二校。
総当たりでやった後に、浜で走り込み。で今日の練習メニューは終了だ。
「おい、華澄」
「今はどんな質問も受け付けないわよ」
「赤司と何があったんだよ」
この凶悪面の従兄は聞こえなかったのかしら?
私の言葉などまるっきり無視して、今一番聞いてはならない質問を直球でしてくる。
「何もないわ。あんな奴、もう知らない」
「あ、おい!」
修ちゃんが呼び止めるのも無視して、部員のテーピングに回る。
「虹村さーん、今はまじでダメっスよ」
「お前なんか知ってんのか?」
「あー、実は…」
「黄瀬、朝から元気だな。感心するよ。では今から浜で走り込んでこようか」
「えぇ!?今から試合っスよ!?」
「行け」
修ちゃんに余計なことを教えようとしていた黄瀬を、私も止めに入ろうとしたところ、征十郎が有無言わさない様子で、黄瀬を体育館から追放。
「お前ら、まじで何なんだよ…」
呆れた顔で私と征十郎を交互に見る修ちゃんだったが、誰もその問いに答えるものはいなかった。