第20章 馬鹿っ!
廊下で思いっきり叫んで私は調理室へ向かい、皆がミーティングをしている間になんとか夕飯を作り終えた。
「…カスミン、大丈夫?」
ご飯なんて食べる気力もなかった私は夕飯を作り終えると、ひとりで部屋へ戻り、早々とお風呂を済ませた。
私を心配してか、さっちゃんも私がお風呂を上る頃には部屋に戻ってきていた。
「…他の人に見られるのは別にいいの。あの子たちにも逆に悪いことをしたと思っているわ。でも、征十郎に見られるのは、嫌…だった…かな」
「うん、そうだよね…」
あ、ダメだ。急に涙が…。
「征十郎の馬鹿…。あんな風に怒らなくてもいいじゃない。私、どうして征十郎が怒ってるのか、わからないわ…」
グスッと泣き出してしまった私をさっちゃんは背中をポンポンとしながら慰めてくれた。
「(ただの嫉妬だと思うんだけどなぁ…)」
さっちゃんは心の中で呟いた。