第20章 馬鹿っ!
その視線の先を辿ると、後輩三人が、青い顔をしていた。
「やだ、今度は顔が真っ青だわ。熱が上がってきたの?…あら?でも鼻血は止まってるわね?」
「藍川さんはちょっと黙ってた方がいいかと思います…」
テツ君が小声で言う。
もう、さっきから本当に何なのよ。
「いや、俺たちがやったわけではないんですよ…?」
「あ、あ、雨が降ってきて…仕方なかったというか」
「あの、えっと…」
「「「スミマセンでした!!!」」」
「ちょっと、皆どうしたのよ?!」
征十郎に睨まれた彼らは、先程とは違った挙動不審さを見せ、突然鼻に突っ込んでいたティッシュを抜き取り、頭を深々と下げ始める。
「あれ?皆こんなとこで何してるの?」
片づけを終えたであろうさっちゃんが、宿泊所の玄関へ入ってくる。
「さっちゃん、片づけありがとう」
「ううん、大丈夫…って、えぇぇええ?!ちょっ…カスミンどうしたの!?」
私の姿を見るなり、さっちゃんは叫び出す。
そんなにずぶ濡れな姿は驚くことなの?
別にバスケ部でこんなことなんて珍しくないと思うのだけど。
「カスミン!下着!下着透けてる!」
「……。えっ!?」