第20章 馬鹿っ!
私が首を傾げていると、ちょうど練習が終わったという部員たちに会った。
ああ、しまった!このままだと本当に間に合わない!
着替えたいのは山々だけど、このままいくしかないわ。
「華澄、今戻ったのか?先程雨が降り出したようだが…大丈夫だったのか?」
後ろから征十郎の声がした。
あー、もう終わった。間に合わない。どうしてこんな時に雨なんか…。
「ごめんなさい、夕飯は今から準備するから先にミーティングでもやっててもらえないかしら?彼らも鼻血が止まらなくて見ないといけないのよ」
そう言いながら、私は征十郎の声がする後ろを振り向く。
そこには征十郎のほかに、あっくん、真ちゃん、大ちゃん、黄瀬、テツ君。
六人は振り返った私を見て、ギョッとした表情で目を見開く。
「あ、あ、あ、藍川っち?!」
「お前、え、そんな、え、…何があったんだよ!?」
「あ、藍ちん!?それどーしたの!?」
「え?何のこと?というより、皆どうしたのよ?」
「何のことではないのだよ!」
えぇ?本当に何のことなのよ。
「…どういうことか説明してもらおうか」
征十郎は怒った声で言う。
どういうことって、夕飯が遅くなったことは申し訳ないと思ってるけど、これは不可抗力なわけであって、そこまで怒らなくともいいじゃないの。
「だから…」
「お前ではない」
「は?」
説明をしようとする私の声を遮って征十郎は言う。