第20章 馬鹿っ!
「さっちゃん。私夕飯の買い出しに行くから、後よろしくね」
「うん、わかった。今日は何にするの?」
「もう献立考えるのは面倒だから、カレー」
三泊四日分の献立を考えるのは、本当に面倒なことで、さらにあまり手の込んだものだと、30人分も作るのが大変ではあるので、今日は定番中の定番、カレーだ。
生憎、米や根菜類ならば親切な保護者様から大量に寄付されているため、問題ない。
だが、生ものや傷みやすい野菜はそうもいかないため、夕飯を作り出す前に近くのスーパーに買い出しに行かなければならない。
そう、とても面倒くさいのだ。
「カレーか…。それでも皆喜びそうだけどね」
さっちゃんは私に笑いかけながら言う。
こんなに可愛くて、仕事もできるというのにどうして料理はダメなのか。
「あ、一年せーい!カスミンが買い出しに行くから誰かついていってあげてー?」
「「「ウッス」」」
勿論、このか弱い私が部員分の材料の入った買い物袋をひとりで持てるはずもなく、申し訳ないが、一年生から二・三人ほど買い出しを手伝ってもらっている。
「練習中なのに、本当に申し訳ないわ…」
「いえ!藍川先輩のためなら!」
そう言ってもらえるとこちらも助かる。
ということで、私は彼らを連れて買い出しに出た。
昨日と同様、買い出しは一年生と二手に分かれて籠の中に詰め込んでいくために、案外すぐに終わる。
私を含めた四人で、宿泊所へ向かう途中は、大概質問攻めにあう。
内容は「彼氏いますか」「好きな人いますか」「どんな人がタイプですか」という、お前たちはそれしか日本語を知らないのか、と聞きたくなるようなことばかり。