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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第20章 馬鹿っ!



「藍川っちいたー!先輩たちばっかじゃなくて俺も見てくださいッス!約束したじゃないッスかー」

「黄瀬君。僕の方が重傷なので、僕を優先してください」


少しの沈黙が流れた時、黄瀬とテツ君が体育館へ入ってきた。

それに続いて、食事を終えた二年生がぞろぞろと入ってくる。

一年生は、食事の後の片づけをしてからくるため、少し遅れてくるようだ。


「もう、順番に見ていくから、各自ストレッチでもして待っててちょうだい」


私は残りの三年生をさっちゃんに任せ、テツ君を最初にして順に見ていった。


「…桃井、どこまで知ってる」


何も知らない私が、その場を離れた後で、修ちゃんは小声でさっちゃんに問いかけていた。


「明日の夜…のことなら、全部…」

「わー、まじかよ…」

「桃井の情報網どーなってんだよ…」


さっちゃんがそう答えると、三年生は口々に言いながら項垂れる。


「それ、誰かに話したか?」

「いえ、まだ誰にも」

「華澄にもか?」


修ちゃんが慎重深く尋ねると、さっちゃんはコクリ、と頷いた。


「いいか、絶対に喋んじゃねーぞ。先輩命令だ」

「…実行することは決定なんですね」

「当たり前」


この時、えぇ、と項垂れたさっちゃんを遠くから見ていたが、私たちには何を話しているのかなんて、全く聞こえておらず、はたまた明日の夜に三年生が何をやろうとしているのかなんて考えもしなかった。

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