第20章 馬鹿っ!
それを見た私は、先程用意したスプレー等をもって、その集団に近づく。
「先輩方、筋肉痛なんでしょう?とりあえず、にしかなりませんが冷やすので見せてください」
「気が利くじゃん、藍川」
「さっちゃんも手伝ってもらっていいかしら?」
「あ、うん!」
筋肉痛になること自体、私自身そんなに大したこととしてみてはいないが、こうでもしておかないと、後々うるさい。
特に二年生の『キセキの”アホ”』集団と修ちゃんは。
「あ、そういえば。さっちゃん、さっき何を言いかけたの?」
「えっ?!」
修ちゃんから何か聞いているか、とか、明日のミーティングを早く終わらせることとか…。
ま、明日早く終わらせるのは翌日の海水浴に備えるためだとは思うんだけど。
「え、えーっと…」
「桃井?どうしたんだよ」
さっちゃんに見てもらっていた関口先輩は、先程からチラチラと三年生の顔を窺うような仕草を見せるさっちゃんに訝しげな視線を送る。
「あ、明日…のことなんですけど…」
「「「!」」」
「何?どうしたのよ」
さっちゃんの言葉に、三年生は体を固まらせる。
それを見たさっちゃんは、やっぱり…と小さく呟いた。
「あの…」
「桃井ストップ!!」
言葉を続けようとしたさっちゃんを修ちゃんが慌てた様子で止める。
え?本当に何なのよ?