第19章 優勝する気あるの?
正直、このアホどもだけが言うのであれば、私はどんなに重要な任務だと言われても絶対に聞かない。
①時間の無駄だから。
②結局内容はどうでもいいようなことばかりだから。
③巻き込まれたくないから。
以上三ヶ条だ。
でも、テツ君までこんな風に言うなんて…。
「…はあ、どうしたのよ?」
私が諦めたようにして聞くと、大ちゃんと黄瀬は目を輝かせて私を見る。
と、次の瞬間には両手を顔の前であわせ、腰を低くして、お願いポーズだ。
「頼む!最終日だけでも海で遊ばせてくれ!」
「折角の夏休みなのにこうも練習ばっかじゃ遊ぶに遊べないんスよ!それに海が目の前なのにバスケなんてやってらんないッス!」
「…あんたたち、全中優勝する気あるの?」
「「そりゃ勿論」」
…ダメだわ。何も言えない。
さらに、これをあっくんは兎も角として、真ちゃんやテツ君まで言っているという事実に呆れ果てる。
「何話してるのー?」
さっちゃんが片づけを粗方終わらせて、こちらへ向かってくる。
そんなさっちゃんに黄瀬がかくかくしかじか、と事の経緯を話す。