第19章 優勝する気あるの?
「…残念だが、今年もマネージャーが食事の担当だ」
征十郎は声を小さくして告げた。
それはもう、死刑宣告のように。
「な、なんで皆そんな顔するの!?」
さっちゃんが声を荒げるが、誰も答える気力すらない状態だ。
「心配しないで。さっちゃんが練習を見てくれるというのなら、私が早めに切り上げてやるわ…」
私が控えめに言うと、みんなはバッと顔をあげ、私に詰め寄ってくる。
「藍川!すべてはお前にかかっているのだよ!」
「藍ちーん。まじで頼むよー?」
「俺らも藍川っちが少しでも料理に専念できるように、手伝うッス!」
「さつき!華澄がこう言ってんだ!お前は何もすんじゃねーぞ!」
「青峰君!?どういう意味よ!!」
あまりの勢いに圧倒されながらも、私は、うん…とだけ答えた。
「皆さん、桃井さんに失礼ですね」
「…だが、俺もあれに関してはフォローできないよ」
「赤司君!聞こえてる!」
…少しだけ家で作り置きして持っていこう。
そう、心に誓った。