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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第18章 形無しだわ



「行きましょう、桃井さん」

「テツ君…」


さっちゃんはテツ君に言われ、頷こうとしたが、それと同時にハッとしていた。


「私、そろそろ帰らないと…門限が…」

「さっちん、帰っちゃうの?」


確かに時計は既に九時を回っている。


「確かに女子が外を出歩いていい時間ではないのだよ」

「えーっ、緑間っち、頭固いッスよー!夏休みぐらいいいじゃないスか。明日からまた部活で忙しんだし」

「そうよ。……というより私も女子なんだけど…」

「華澄は俺が送ることで話がついているだろう」


黄瀬の言葉に賛同しながらも、真ちゃんのあたかもここにいる女子はさっちゃんだけ、みたいな発言に口を尖らせた。


「でも、桃井さんのご家族に心配をかけては…」


うーん。

テツ君の言いたいことはご尤もだ。

私の家は門限等に関してはとても緩いので深く考えたことはなかったが、さっちゃんの家はそうもいかないのだろう。

すると、征十郎が少し考えるようにして口を開いた。


「黄瀬、携帯を持っているな?」

「へ?ああ、勿論」


征十郎に言われた黄瀬は帯から携帯を取り出す。


「青峰、やるべきことはわかってるよな?」

「はあ?なんだよ、それ」


黄瀬の携帯を見た征十郎が大ちゃんの方を向いて言った。

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