第18章 形無しだわ
あら?
待ち合わせの場所に行くと、何故かあっくんの他に大ちゃんと真ちゃんに黄瀬までいた。
「なんだ、お前たちもいたのか」
「赤司っちに藍川っち!…わ、本当に白地に龍ッスね」
「何の話だ」
「赤ちーん。早くお菓子ちょーだーい」
間違いなく黄瀬は征十郎の浴衣のことを言っているのだろう。
確かに、男の子で白地の浴衣を着るのは珍しい、と思った。
そういう黄瀬も水色地に何故かペンギン柄。大ちゃんは濃紺で真ちゃんは青地の浴衣だ。
黄瀬曰く、男にとっては濃い色の方が無難らしい。
それを聞いた上で、やはり征十郎は只者ではないと感じた。
「黄瀬の浴衣…可愛いわね…」
「藍川っちも似合ってるッス。やっぱ美人は浴衣が映えるッスね」
「あら?さっちゃんとテツ君は?一緒じゃないの?」
「無視っスか!?」
「ああ、それが…」
黄瀬を無視した私の問いかけに真ちゃんが丁寧に答えてくれた。