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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第18章 形無しだわ



そうこうしている内に着付けも終わり、次は髪型だ。

それくらい自分でしなさい!と言われたが、これも母にしてもらった方が綺麗に仕上がるとふんでいる私は、母が折れるまでお願いをし、綺麗に編み込んで纏めてもらった。


「この浴衣にはこの簪が合うんじゃないかしら?」

「お任せするわ」


最初は文句を言っていた母も、やはり一人娘には甘く、丁寧に私を可愛く仕上げてくれる。


「あら。いつもより可愛くなったじゃない」

「ありがとう、ママ」


全て終え、鏡で出来上がった自分の姿を確認してみると、普段とは違った雰囲気の私が映る。


「(…よし、完璧)」


準備も終わったので、部屋でゆっくり征十郎の迎えを待っていると、家のチャイムが鳴った。


「華澄ー?赤司君が迎えに来たわよー?」

「はーい」


階段を下りていくと、玄関には白地に昇り龍の描かれた浴衣を着た征十郎がいた。

うわぁ…すっごく格好いい。

思わず見とれてしまった私をニヤニヤしながら見る母の視線に気づいて、ハッとする。


「日付を越える前には帰ってくるのよ?」

「わかってるわ」


というより、まだ中学生である一人娘の門限が「日付を越える前」というのは如何なものか、と思うのだけど。


「きちんと俺が家まで送りますので安心してください」

「あらー、そう?いつも悪いわぁ。じゃ、赤司君、華澄をよろしくね」

「はい」

「行ってきます」


母にそう告げて、私と征十郎は家を出た。

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