第18章 形無しだわ
「華澄ちゃんは?行かないの?」
全く興味を示さない私を見て、あっちゃんが問いかけた。
「うーん、行けない…かしら」
「え!?何で!?」
行けない、と言った私に対して、彼女らは目を大きく見開いて尋ねてくる。
「終業式の翌日、ということは都大会の一週間前でしょう?少し厳しいかもしれないわね」
「あー…、そうだったね」
「華澄ちゃん一軍専属だし、忙しいもんね」
そう。
終業式の翌日は、都大会が始まる一週間前。
夏祭り自体は夜にあるため、行けないこともないが、そこまでして行きたい、というわけでもない。
すると、あっちゃんが皆に隠れて私にそっと耳打ちをしてくる。
「華澄ちゃん…本当は赤司様と行きたいんでしょ」
「なっ」
ニヤニヤとした笑みを浮かべながら言ってくるあっちゃんに、私は思わず顔が赤くなってしまう。
「私たち他のマネージャーに比べて華澄ちゃんは選手並みに忙しいのはわかるけど、確か夏祭りの日の一軍の練習は午前中だけじゃなかった?」
「そうだけど…」
「思い切って誘ってみたらいいじゃん。赤司様も絶対喜ぶよ」
あっちゃんは私にそう言う。