第17章 仕方ないわよね…
監督は少し咳き込みながら続けた。
「それともう一つ。君を呼んだのは、彼らに何か話をしてほしい、ということではない」
「…どういう意味でしょうか?」
三年生が引退してしまえば、きっと彼らはさらに成長し、苦しみを感じることも考えられなくはない。
だから、私からどうにか精神面でのサポートを…、という話ではないということ…?
「今の時点でも彼らの力は大きすぎる。だが、彼らはまだ中学生だ。体がその大きすぎる力に追いついていない」
「!」
私がここ最近で最も心配していたこと。
あまりの実力に、オーバーワークとなり、体を壊してしまうという可能性。
「君が注意深く見ていることは知っている。そのおかげで、いまだ誰も怪我人はでていない。しかし、この先、おそらく彼らは君の手にも負えないほどとなるだろう」
「…私が、これ以上に注意したとしても…ですか?」
監督は頷いた。
「……。私はどうすれば…」
私が俯いて尋ねると、監督は私の方を向き、答えた。