第17章 仕方ないわよね…
「…で、話とは…」
「うん。今の二年生、『キセキの世代』のことだ」
どきり、とした。
何だろう…。
わざわざ主将でも三年生でもない私に彼らについて話なんて。
「君も彼らの実力がこんなものではないことは気づいているだろう」
「…はい」
「やはりそうか」
私の返事を聞いた監督は、少し考えるような仕草を見せて窓の外を眺める。
「『キセキの世代』とはよく言ったものだ。彼らはこれからさらに成長し続ける。間違いない」
「……」
「だが、それは彼らを苦しめることにも繋がりかねない。…今の青峰のように」
ああ、そうか。
監督は大ちゃんがどうして悩んでいるのかを気づいていたんだわ。
「これに関しては、私の方からどうこう言ったところでなんとかなるものではない」
「そう、ですね…」
あまりにも大きすぎる実力は、彼らを苦しめかねない。
だが、どうしてもこれは他人がどうしたところで何の解決にもならない。
自分自身で解決しなければ、意味がないのだ。