第17章 仕方ないわよね…
これまでのことからしてもどうにかしよう、と考えてくれているはずだわ。
「ま、お前もあんま思いつめんな。なんかあったら聞いてやっから」
「おぉ?虹村が兄貴らしいこと言ってんじゃん」
「従兄妹だよ!」
久保田先輩と関口先輩が修ちゃんを冷やかしていたが、それだけでも私の気持ちは少し軽くなった。
…でも、テツ君だけに頼るのも良くない。
私にだって何かできることはある。
「修ちゃん、相談に乗ってくれてありがとう。まだきちんと考えは纏まってないけれど、私もやれることをやるわ」
「おー。頑張れよー」
都大会まで、あと一か月を切っている。
その間に、私にできることを見つけなくちゃ。
私は、修ちゃんのクラスを後にし、自分の教室へ戻ろうと、廊下をひとり歩いていた。
「藍川、少しいいか」
私を呼び止める声がし、振り返れば、そこに立っていたいたのは白金監督。
「監督?何でしょうか?」
「ああ。君に話があってな…ここではなんだから…」
監督に言われ、私は監督に付いてすぐそこの相談室に入った。