第15章 これが恋というものか
「あー!藍川っち!ミスコン二連覇おめでとッス」
「はいはい、どうも」
「相変わらず冷たいッスね。メールも無視されたし…」
「それは黄瀬君だからだと思います」
グッジョブ、テツ君。
私たち後から来た四人は既にいた彼らの方へ向かって、足を進めた。
わあ、凄く景色がいい。
帝光祭の終わりを告げるような夕日は、少し寂しい感じもしたが、とても綺麗だった。
「黒ちーん。お菓子食べるー?」
「はい、頂きます」
「じゃ、俺らもここで焼きそば食うか」
「あ、それ私のクラスのだわ」
「そうなんか?」
大ちゃんが手に持つ大量の焼きそばは、間違いなく私のクラスの焼きそば。
だが、残念なことに大ちゃんが持っているのは激辛ではなく、普通焼きそば。
ちょっとだけ辛そうにする大ちゃんが見たかった、と思ったのは内緒だ。
「そっスね!ああ、緑間っちもどっスか?」
「ふむ、仕方ない。貰ってやるのだよ」
「あれ、ミドリンちょっと機嫌いい?」
いつもなら「いらない」と断るであろう真ちゃんが、珍しく黄瀬の誘いに乗ったので、さっちゃんが不思議に思い、尋ねる。
「別に。ただ模擬店を手伝った報酬におは朝グッツが貰えて気分がいいだけだ」
「それって機嫌がいいって言うんじゃ…」
さっちゃんに同感していると、真ちゃんは少しだけさっちゃんを睨んだようだが、相当機嫌がいいのか、全く覇気がなく怖くない。