第15章 これが恋というものか
「お前たち、ここで何をしているんだ」
「あれー?黒ちんだーやっほー」
「あら、ぐうぜーん」
「勝手にこんなところに上がったら、危ないだろう」
屋上に着くなり、私たちは偶然を装って既にいた大ちゃん、黄瀬、さっちゃん、テツ君に口々に言った。
「ムッくんにミドリン、それに赤司君にカスミンまで?!どうしてここに?」
「お前たちが旧館に入っていくのが見えたからな。何かろくでもないことをするんじゃないと思って来たのだよ」
「僕たち、すっかり危険人物にしていされてますね」
さっちゃんの問いに真ちゃんが答える。
さらにテツ君が言った言葉に、真ちゃんは少しだけ眉を顰めた。
それもそのはず。
階段を上っていた時に聞いたのだが、今日真ちゃんは彼らに散々な目に合わされたらしい。
「紫っちたちも俺たちのこと追いかけてきたんスか?」
「ううん。赤ちんがお菓子分けてくれるって言うからー。ここで待ち合わせしてたんだー。景色のいいところで食べる方がいいじゃなーい?」
黄瀬の問いに今度はあっくんが答える。
「赤司でもお菓子買いすぎたりすんのか」
「まさか。賞品に色々貰いすぎたんだ」
「やっぱり賞金稼ぎだ」
黄瀬は征十郎の例の様子を見たのだろう。
そう小さく呟いた。