第15章 これが恋というものか
「これが部長の実力とはな。それで、次は何がもらえるんだ?」
教室のなかでは、征十郎が勝ったことに当然のような表情をして言った。
「可哀想だから程々にってあれだけ言ったのに」
「た、確かに…ちょっと可哀想」
苦笑いを浮かべながらさっちゃんは私に同意した。
「…っと、私もう行かなきゃ。さっちゃん、これ良かったら」
「ん?焼きそば?」
私はワンピースの上に羽織っていたバスケ部のジャージのポケットからクラスの出し物の焼きそばの無料券を出し、さっちゃんに渡す。
「そ。私のクラス焼きそばやってるの。いらなかったら大ちゃんにでも渡してよ。じゃあ、私行かなきゃいけないから」
「ありがとう!ミスコン頑張ってね!」
私はさっちゃんと別れて教室へと再び足を進めた。