第15章 これが恋というものか
「あ、華澄ってそんな風に笑うんだ…」
少し顔を俯かせながら、優ちゃんは言う。
「あら、早速幻滅した?」
「違うよ!意外だけど、そっちの方が私は好きかなー」
ニッと私に懐っこい笑みを見せる優ちゃん。
「できた!よし、これで今年もグランプリだね!」
「だからわからないって」
そう言っても、優ちゃんは、寧ろ華澄がグランプリじゃなかったら帝光も終わりだ、なんていうから本当に大げさだ。
と言いつつも、手渡された鏡で自分の姿を確認すると、確かにいつもより可愛く見える。
「ありがとう、優ちゃん。なんだか自分が可愛く見えるわ」
「だから元々可愛んだってー」
そう言いながら優ちゃんも簡単に自分の容姿を整える。
優ちゃんの準備が終えてから、私たちは体育館へと向かった。
本番の今日、ミスコンはまず、午前中にエントリー者のアピールタイムのように紹介が行われる。その後、投票が開始され、午後に開票。という流れだ。
私は去年と全く同じことを言い、手短に終えた。
一方、優ちゃんはというと、私に憧れて…の下りから始まり、自分のことより私のことについて語っていた。
…意味が分からないわ。