第15章 これが恋というものか
時計を見ればもう昨日確認された時間の五分前。
ここから集合場所はそう遠くはないが、なんせ私は足が遅い。
少し早めに歩いては見たが、結局到着したのはギリギリだった。
「よし、これで揃いましたね。では皆さん着替えて体育館へ行ってください」
渡された真っ白のふわふわしたワンピースを持って更衣室へ行き、着替える。
早々と着替え終わって体育館へ行こうとしたとき、「ちょい待ちっ!」と私と同じミスコンのエントリー者に引き止められる。
「…何かしら?」
「藍川さん、ミスコンなんだよ?確かにあなたはそのままでも十分美人だけど、少し化粧をしようよ!」
「はあ?」
何で?
去年出た時は、別に化粧なんてしていなかったし、それでもグランプリは取れた。
化粧自体はやったことがないわけではなく、友達と遊びに行く際はすることもあるが、本音を言えば、そこまで好きではない。だって、なんだか肌が窮屈に感じるのだから。
「ささ、座って」
そう言った私と同学年らしい彼女は、私を無理やり座らせて、自分のことはさておき、私の顔に化粧を施し、さらに髪まで弄りだす。