第15章 これが恋というものか
打合せも簡単な確認程度で終了し、後は明日の本番を待つだけとなった。
「二連覇は出来そうかい?」
打合せが終わり、クラスへと戻る私の隣を歩く実行委員の征十郎。
「そんなこと私がわかるわけないじゃない。投票するのは私じゃないんだから」
「そうだね。では俺は華澄に投票するよ」
「あら、ありがとう」
素っ気なく返してはいるが、私の内心は嬉しすぎて口元が緩みそうになる。
だが、ここでそんなことをすればきっと気持ちがバレてしまう。
さらに、ここは校内。
私と征十郎が通るたびに何人もの人が振り返るため、”高嶺の華”としてはそんな表情を見せるわけにはいかない。