第14章 真面目に聞いているの
すると、みっちゃんが話を変えようと話し出す。
「じゃあ…あとは華澄ちゃんだけだね!どうなの?」
「わ、わ、ワタシっ?!」
みっちゃんに言われた途端に私の頭の中には、先日漸く気づいた想い人、征十郎の姿が浮かび、顔がカアっと赤くなっていくのが自分でもわかった。
これまで見たことのない私の慌てた様子に三人は、一瞬キョトンとし、すぐに私に詰め寄ってくる。
「えぇ!?ついに華澄ちゃんも?!」
「カスミン!私聞いてないよ!?」
「誰!?相手は誰なの!?」
言っていいものなのか。
おそらくみっちゃんは征十郎を本気かどうかは別にしても好意を抱いているはず。
でも、ここで私だけ言わない…というのもなんだか気が引けてしまう。
「…え、えーっと。絶対、内緒にして、ね?」
三人はコクリと頷いた。
私は顔を真っ赤にして下を俯きながら言った。
「せ、いじゅう、ろ…」
「きゃーっ!やっぱり?!いつから?!」
「気づいたのはついこの間だけど…。多分一年生の頃から好き…だった、のかも」
みっちゃんは両手を頬に添えて叫んだ。
自分から口に出して言うというのは想像以上に恥ずかしく、私はこれ以上ないように顔が真っ赤になる。
「華澄ちゃん…!今の顔…すっごく可愛い!」
「うん、うん!元から可愛いのに、恋する乙女って感じ!」
あっちゃんとさっちゃんは私の反応があまりにも珍しかったからか、口々に言う。