第13章 覚悟してね?
…私が。
「馬鹿に教えるのって、こんなにも大変なのね…」
「藍川っち、何気に酷いッスねー」
「酷いのはあんたの理解能力のなさよ。一体どんな脳みそしてんの」
社会のテスト範囲は、歴史分野の縄文時代から平安時代中期。もう平安時代は捨てて、簡単で覚えやすい縄文時代から確実に固めていこう。
と思ったのも束の間。
歴史が苦手だという人でもここだけは出来る、という超簡単時代の縄文時代ですら、こいつには難しかったようだった。
…もうお手上げだ。
「あー、お菓子なくなっちゃたー」
さっちゃんに理科を教えていたあっくんが言った。
「俺、コンビニ行ってきていいー?」
「わ、私も行く!もう馬鹿の相手は無理だわ!」
「藍川っち!?見捨てるんスか!?」
私とあっくんはサイフを持ち、テツ君の家を出た。