第13章 覚悟してね?
「て、て、テツ君のお部屋…!」
…私の隣で興奮を抑えきれないさっちゃんを除いては。
「グラスを取ってきますので、待っててください」
「あ、私手伝うよー!」
私たちを残して部屋を出ていくテツ君をさっちゃんが追いかけた。
「さて、ここで一つ提案があるのだが」
征十郎は部屋の真ん中に置かれたテーブルの側に座りながら言った。
「提案?何なのだよ」
「これまでは図書館という静かにせざる得ない環境だったが、今日はそう言うわけでもない」
「あ!じゃあゲームでもするんスか?いいッスね!」
「そんなわけないだろう」
征十郎は黄瀬に呆れた顔をして続けた。
「今日はマンツーマンでやろう」
マン、ツー、マン?
私たちはキョトンとした顔をし、首を傾げた。
「成績上位四名が、下位四名に付きっきりで教えるんだ」
おぉー、なるほど。
確かにその方が効率はいいし、勉強会って感じがする。
「お待たせしました」
とその時、テツ君とさっちゃんが戻ってきた。
「でもさー、誰が誰に教えるとか、どーやって決めんのー?」
「え?何々?何の話?」
たった今戻ってきたテツ君とさっちゃんは自分たちのいない間に話が進んでいて戸惑ったように私たちを見たので、私がこれまでの経緯を話す。