第13章 覚悟してね?
流石は兄同然の従兄。
私の考えなどお見通し、というわけね。
『お前、そんなんでこの先やっていけんのかよ。もうこの際開き直れ』
「そんなこと急に無理よ…。だってこんなの初めてなんだもの…」
『はあ』
段々と声が小さくなっていく私に、修ちゃんは電話口で盛大にため息をついた。
『あのなぁ、んなこと言ってたらお前一軍から降ろすぞ』
「え…っ。そ、それは嫌!」
『だったら普通にしろ、普通に。今までが無意識だったってだけ話だろ。それにお前がそんなんだとすぐにばれるぞ』
「嘘」
『本当。今までお前と赤司はいっつも一緒にいたじゃねーか。なのにいきなり離れてみろ。それこそ不自然だろ」
「た、確かに…」
修ちゃんにしてはまともなことを言ってる。
『だから、変に意識すんなって。大体、好きなモンは仕方ねーだろ。正直周りにバレたとこでどうにかなるモンでもねーし。てか俺は寧ろ変な態度とるくらいならバレてもいいと思ってる。ま、自然でいるのが一番だってこった。それと…』
「…まだ何かあるの?」
『次部活サボったら、お前一軍クビな。じゃーな』
それだけ言い残して修ちゃんは電話を切った。
「(く、クビって大げさな…)」
いや、修ちゃんならやりかねない。
確かに今回は私が悪い。その上、修ちゃんにはアドバイスまで貰った。
私はふふっと笑い、修ちゃんに謝罪とお礼のメールを打って、家までの道を歩き始めた。