第13章 覚悟してね?
検診を終え、眼科を出るともう日が暮れはじめていた。
外に出てから携帯を見ていると、修ちゃんからの不在着信が3件とお怒りのメールが5件来ていた。
「これまで一回もサボったことないんだからいいじゃない。やることないんだし」
とりあえず、『ごめんなさい』と一言だけメールを打って返しておいた。
それにこれまで一度もサボったことがないにも関わらず、今日部活をサボったのは基礎練習だけでやる気が半減した、ということの他にもう一つ理由があった。
それは、あまり征十郎に会いたくない、ということ。
”高嶺の華”なんぞと呼ばれる私が、みっちゃんたちのように恋する乙女全開にできるわけもない上に、どう接したらいいのか戸惑ってしまう。
これまでと変わらないようには接してはいるが、いつボロが出るかわからない。
と、その時。
着信を告げる音が携帯から鳴り、名前を見てみれば、修ちゃん。
仕方なく通話ボタンを押した。
「は…」
『華澄!テメ、今どこにいやがる!!何が、やることない。だ!っざけんなよ!!』
私が「はい」「もしもし」と言うよりも先に修ちゃんは私を怒鳴り付ける。
そのあまりのボリュームに私は思わず、耳から携帯を離した。
「…コンタクトが切れそうだったから眼科に行っていたの」
『んなモン明日でも行けっだろうが!頭おかしいのか!?』
「そんなに怒らないでよ」
たった今「ごめんなさい」ってメールしたばかりじゃない。
それにこれまで部活をサボったことのあるマネージャーは私の他に何人もいる。
『ったく…。どうせ赤司とどう接したらいいかわかんねーで、出来れば会いたくない、とか言う理由なんだろ?』
「!」