第12章 馬鹿とは何よ
その日の練習も無事に終え、私とさっちゃんは昨日と同じように洗濯をしながら、ミーティングで使う用にノートをまとめていた。
その間もさっちゃんはテツ君の話を延々としていたが、私の耳はちくわのように全て受け流していた。
その後、ミーティングも終え、各自部屋に戻った後のケアも指示し、あとは部屋に戻って寝るだけ、となったが、私はそのまま修ちゃんの元へ向かっていた。
「修ちゃん、聞きたいことがあるの」
「あ?何だよ、手短に頼むぜ?」
自販機で炭酸ジュースを買い、それを飲みながら修ちゃんは私を見下ろして言う。
「なんだか、征十郎と話したりしてると動悸が止まらないの。何かの病気かしら」
「ブーッッ」
修ちゃんは豪快にジュースを吹き出した。
「汚いわね…んぐっ?!」
「…よし、誰もいねーな」
修ちゃんは私の口を押えると、周りに誰もいないかきょろきょろと見て確認する。
「…っはあ。もう何なのよ」
修ちゃんが私の口から手を離してから、私は修ちゃんを睨みながら言った。