第12章 馬鹿とは何よ
ん?話が見えてこないんだけど。
「私が皆に混じってアイス食べたい、って気持ちに気づいてくれて…さりげなく皆の中に入っていけるようにしてくれたし…。それに全く恩着せがましくなくて。これって完璧すぎない?」
「……」
わ、わからないわ…。
それでもさっちゃんは話し続ける。
「この間の二軍同伴の時、初めてテツ君のプレイも見て、いつもとのギャップにもなんかドキドキが止まらないの…!いつもは存在感ないのに急に凛々しくなるし、私のデータからは全く予測できないような行動!全部が格好良く見えてきちゃって…!」
ここで、私は漸くここ数日間の彼女の不審な行動の意味を理解した。
さっちゃんは両手で真っ赤な顔の頬を覆って、照れたように言う。
「で、でも!アイスのあたり棒がキッカケっていうのも変じゃない?だからこれを恋、って言っていいのかわからなくて」
「…そ、そうなんだ」
えぇ?さっちゃんがテツ君を?まじで?